【松島】

松島とは、宮城県の松島湾内外にある大小260余りの諸島のこと。または、それら諸島と湾周囲を囲む松島丘陵も含めた
修景地区のことである。特定の一つの島を指しているわけではない。日本三景の1つに数えられている。
松島は、仙台平野を南北に分ける松島丘陵の東端が海にまで達し、それが沈水して出来た沈降地形である。
溺れ谷に海水が入り込み、山頂が島として残っている。全体として松島湾(広義)を形成し、湾内の水深は10m以浅
である。
この地域の大部分の地層は第三紀層の凝灰岩、砂岩、礫岩などで出来ており、波に洗われる部分はやや容易に侵食され、
白から灰白色の岩肌を見せている。特に小島では、松が生えている島の頂部よりも、海水面近くが波に洗われてえぐれて
おり、ややキノコに似た形になっているものもある。また、侵食による奇岩や「嵯峨渓」のような海蝕崖も見られる。
このように侵食、風化作用を受け易い地層の上に松島は成り立っているため、長い間に風景も少しずつ変化してきたと
考えられ、過去の松島と、現在のそれとは微妙な違いがあると考えられている。五大堂が設置されている島も海水面近く
が侵食されており、将来が危ぶまれている。
2007年、日本の地質百選に選定された。